社員インタビュー
写真:金田武士
「弱音を吐いたら自分に負けている。きついことをつづけたら、きっと乗り越えられる。見える風景がちがってくる」
金田武士(36) パンステージ エピソード店長 13年目

社長は惚れる存在
山本さんとはプロローグを立ち上げる前からの付き合い。
専門学校を出て最初に入ったパン屋の店長が山本さんで、それ以来17年いっしょです。一言でいうと、惚れる存在ですね。人を大事にするのがいいところ。謙虚なところや、仲間意識、思いやりは、チームワークにつながる部分だし、スタッフのみんなにも見習ってほしいと思います。

お客さんとのコミュニケーションがよろこび
パンが焼きあがった瞬間、理想のものがでてきた瞬間がいちばん充実感があります。うれしいのは、お客さんからの一言ですね。店の前のスペースで花を育てているので、「ガーデニングきれいだね」といっていただけたり。
花でなごんでもらえると、すごくうれしい。パンをいっぱい買って、花も買っていただいて、手に持ちきれない人がいたんですが、持ってさしあげたら、「ここのパン、安いね」ってコミュニケーションできたり。花に水をやっていると、話しかけられることが多いです。

お客さんの顔と好きなものと誕生日を記憶する
常連さんを大事にしたいと思っています。サービスカードのスタンプが溜まると、名前や誕生日を書いていただいて回収するのですが、それを自分でパソコンに打ち込む。それで顔と名前を覚えて、きていただいたときに名前でお呼びしたり、誕生日にちょっとしたプレゼントを差し上げたり。常連さんの好きなものを覚えておいて「いつもの」をお渡ししたり、いわれなくても好みのスライスに切って差し上げたり。黙っててほしいものがでてきたり、自分のことを覚えてくれていたりすると、うれしいじゃないですか。
そういうサービスはいつも心がけていますね。

パンも花も世話をすればするほどよくなる
花のことなんて最初はぜんぜんわからなかったんですが、枯れて、失敗して、くやしい思いをして、なんで枯れたんだろうって考えて、理由を追究して、やり方を変える。パンといっしょですね。世話をした過程が最終的にパンにでる。水をあげすぎても、あげなくても枯れる。それではまっちゃいましたね。卸で安く買ってきたものを自分で育ててから、安く売っています。それを楽しみにきてくれているお客さんもいらっしゃいますね。パンがおいしい、花がきれい。パンも花も世話する気持ちはいっしょです。

いいスタッフがいて、いいパンができる
仕込みで発酵オーバーになったら、パンチして制御したり。子供を叱るのと似ていますね。発酵して、小学校、中学校、オーブンから外に出たら成人。最後にトッピングのお化粧をして、厨房から出て、卒業していく。パンを作る工程の各ポジションの先生たちが、しっかり教育しないと、いいパンにならない。人間にとって人との出会いが重要なのと同じで、先生たちの影響でパンも変わってくる。ただ作るだけじゃなく、そういうこと考えながら作ってると、おもしろいですね。

きついことを乗り越えたら仕事が楽しくなる
だいたい朝の2時半に出社して、夕方の6時ぐらいまで仕事をして、それから2時間ぐらい花の世話をしたり、河原で作ってる野菜の世話をします。それからうちに帰って、1歳の子供の面倒を見て、皿を洗って、4時間ぐらい寝て、また翌日仕事。楽しいことばかりなのでぜんぜん疲れません。逆に、通勤電車に乗って、ストレスを溜めて…という仕事したら、めちゃくちゃ疲れるかもしれません。プロローグが開店した頃は18時間とか普通に仕事してました。眠くて、仕事しながら帰ること考えたりしてたんですけど、慣れたら楽になりました。そこで弱音を吐いたら、自分に負けているんですね。きついことをつづけていけば、乗り越えられる。それが当たり前になる。見える風景がちがってくる。山に登る前、低いところにいたら、地形がどうなっているかわからないから、文句をいったり、途中でやめちゃったりするんだけど、頂上に上りきると、「あそこには川が流れて、あそこはこうなっていたんだ」とわかる。一度きついことをがんばって耐えた人間にしかそれはわからないから、スタッフには遠慮なく、いうべきことはいいます。乗り越えたら、楽になるし、別の風景が見えてくる。パンも、花も、人も同じ。世話をして立派に育てるのが好きなんでしょうね(笑)。

「お客さんに満足してもらえたなって、わかる瞬間がある。よろこんでもらえてよかった、と思います」
加藤智子(31) パンステージ プロローグ店長 12年目
写真:加藤智子

ちょっとした心づかいでお客さんによろこんでもらえる
プロローグがオープンする前、通りがかりで従業員募集の貼り紙を見て、バイトとして入りました。まずはサンドイッチからはじめて、パンの工程を一通りできるようになり、それから売り場に出るようになりました。お客さんと接することが楽しいですね。レジとか打ってて、お客さんに満足してもらえたなって、わかる瞬間がいちばんうれしい。よろこんでもらえてよかった、と思います。ちょっとしたことですけど、お客さんのほしいものをさっともってくるとか、そういうことでもよろこんでいただけます。今日も開店15分前におじいちゃんがいらっしゃいましたよね。そういうお客さんでも、「商品はぜんぶ揃っていませんがあるものでよければ」といって、お通しします。開店時間じゃないからといって店に入れなかったら、「なんだよ」ってなっちゃいますよね。お客さんに「ないの?」っていわれたときでも、作れるかどうか厨房に絶対訊きにいきますし、商品があるときはすぐに持ってきます。せっかく買いにきてくれたという思いは、スタッフ全員にあると思うんで。

お客さんと打ち解ける瞬間が楽しい
このお客さんはもう1回きてくれるな、よろこんでもらえてるな、とわかることがあります。はじめはむすっとしてたお客さんも、何度か接しているうちに、慣れてくるとにっこりしてくれて。お客さんと心が打ち解けたと思うとうれしいです。この仕事は労働時間も長くて大変なんですけど、そんなふうに自分がいかに楽しめるかだと思います。これからパン職人を目指す人たちには、ぜひ楽しんでほしいと思います。

写真:伊藤涼子
「お客さんのために働きたい。いっしょに働いているこの子といっしょに店を盛り上げていきたい」
伊藤涼子(30) 4店舗統括マネージャ 11年目

パンを作ることは人のためにする仕事
山本社長はパン作りの前に人生を教えてくれましたね。「パン作りの前に人間性を磨きなさい」と口すっぱくいわれました。人のためにする仕事だと思います。お客さんがよろこんでくれることがいちばんうれしいですしね。いちばんはお客さんのため、それからいっしょにやってるスタッフとのチームプレー。辞めていく人がいるととても悲しい。この人といっしょに働きたい、この子といっしょに店を盛り上げていきたい。
お客さんのために、この子のために働きたい、といつも思っています。

出社のとき全員と握手して絆を深める
つらいこともありました。パン屋は朝が早いので、朝起きるのだけがつらくて。
起きて、店にいっちゃえば、みんなとわいわい楽しくできる。陰口は嫌いなので、文句をいうときは目の前で(笑)。でも、次の日には朝、握手をして仲直り。プロローググループでは、出社してきたとき全員と握手をする決まりになっているのですが、それには、仲直りという意味もあります。

つらいことがあっても、仲間がいるから乗り越えられる
仕事がおもしろくなる前に、「私には向いてない」と考えちゃう人もいますね。慣れてからが楽しくなるから、それまでは根気づよくやったほうがいいと思います。そのために先輩がいろいろ教えてくれる。人との出会いを大切にしてほしいんです。地方から出てきてる子も多いんですけど、スタッフはみんな家族みたいな関係で、仲いいですね。プライベートに踏みこみすぎず、なにかあったら相談に乗ったり、飲みにいったり。うわべだけの付き合いではなく、つらいこととかをみんないっしょに乗り越えた仲ですからね。

「窓からお客さんの『おいしい』という声が聞こえてきます」
小池未来(20) パンステージ エピソード勤務 1年目
写真:小池未来

入社のきっかけは社長の人間性
専門学校に行っていたとき、講師としてこられていた山本社長が実習のとき話していたことが魅力的で、プロローグ グループに入りました。「パン屋ができればなんでもできる」とパン職人の誇りや夢について語ったりとか、「最近の学年になればなるほどやる気が下がってきている」と指摘もしてくれたり。こういうこといってくれる人すごいな、と。山本社長という「人」に惹かれました。
サンドイッチ作りのおもしろさ
仕事はおもしろいです。いまはサンドイッチを作っています。売り上げの数字が、サンドイッチだけで出てくるんで、自分の作った分がどれだけ売れたかわかるんです。サンドイッチを作りながら、窓からテラスで食べてる人が見えてる。「焼きたてなのね」「おいしそう」とか、お客さんが話しているのが聞こえると楽しいですね。
楽しいと思える会社がいちばんいい
自分が楽しいと思える会社に入るのがいちばんいいと思います。働いてみないとわからないところがあるんで、研修とかさせてもらって、そこでじっくり観察するのがいいんじゃないですかね。僕の場合、1年生の後半から就活に動いていたんですが、実際に店に行ってみると、接客の仕方がちがうなとか、いろいろ悩んでいたときに、プロローグとエピソードが見られた。お店がよかったんで、それで入社を決めました。

写真:鈴木康介
「お客さんの『楽しい』という気持ちが自分に返ってきて、それが励みになります」
鈴木康介(22) パンステージ エピソード勤務 3年目

社長の考えがすごくよかった
専門学校いってたとき、山本社長が講師をやってて、そのときに知り合いました。人柄とか、考えてることがすごくよくて、気になってて。就職ってときに、いろいろ迷ってたら、「やる気あるなら、うちこいよ」って声かけてもらいました。
お客さんと楽しく会話できると自分の励みになる
窯をやってると、お客さんと近いんで、しゃべる話も聞こえてくる。「わー、おいしそう」とか、自分の焼いたパンを「かわいい」といってくれると、すごくうれしい。「がんばろう」という気持ちになりますね。お客さんとコミュニケーションとれるのは、すごくいいと思います。「これ、ありますか?」とか、ちょっと訊かれるぐらいでも、楽しく会話できると、お客さんもうれしいと思うんですよ。その気持ちが自分にも返ってきて、励みになります。
うまくパンが焼けたときのよろこび
いまは、窯をやっています。ホイロから発酵したものをだして、トッピングをのせたり、焼いたのを売り場に持っていく仕事です。溶岩窯を使用しているということもあり、温度がまちまちで安定しませんが、その中で、常においしく見えるように、同じように焼くのが、むずかしいところです。うまく焼けたときはうれしいですね。
パン屋はチームプレー。そこで働く人が大事。
会社に入るときは、自分がそこで働いてるところをイメージして、楽しそうなところを選ぶほうがいいと思います。忙しくてたいへんでも、雰囲気とか、まわりの人とかで、楽しかったりもあると思うんで。わいわい楽しいというよりは、やりがいがありそうなところのほうが。パン屋ってチームじゃないですか。ひとりでも意識の低い人がいると、うまくまわっていかない。実際に働いてみないとわからないかもしれません。契約する前に、研修みたいな感じで、働かせてもらうのがいちばん。見てるだけでもいろいろわかります。気になるパン屋さんがあったら、通ってみるのがいいと思います。

「独立したい人には店の運営にも関わらせてくれる。社員の適正を見て仕事を決めてくれます」
塘早苗(29) パンステージ エピソード勤務 7年目
写真:塘早苗

いろんな種類のパンを作るので将来に役立つ
本を見てプロローグにきて、気に入ったのが、入るきっかけです。面接のとき、社長の考え方が尊敬できて、ここで働きたいと思いました。将来は独立したいと考えていて、この店にはパンがものすごい種類あるのも、いろんなものが作れるようになれるので、いいと思いました。私がこの仕事を選んだのは、パンが日常的な食べ物だからです。お客さん、特に常連さんだったら、いつも食卓に上がるわけですから、すごく大事なところに関わっている。赤ちゃんだった子がいつのまにか歩くようになったり。そういうのを見ると、食育だったり、人間の成長という大事なところに関わっているんだなと思います。
社員の適性とやりたいことを見て仕事内容を決めてくれる
山本社長はすごく従業員のことを考えていますね。ここまで従業員のことを考える人はいないんじゃないかというぐらい(笑)。以前はプロローグで山本社長と同じ職場だったのですが、いろんな話をしました。仕事の話、それ以外の日常のこと…。私のように独立したいと思っている人には、山本社長はどんどんいろんなことをやらせてくれます。お金のことであったりとか、お店の運営に関わらせてくれる。経営のシミュレーションのこみいったところまで教えてくれるんで。そんなふうに、ひとりひとりの希望や適性に添って、仕事の内容を決めてくれます。

写真:飯田健哉
毎日変わる気温や湿度に合わせて配合を調節し、いい生地ができたときにはとても楽しい
飯田健哉(22) パンステージ エピソード勤務 3年目

パン生地を上手に作れたときの感動
作るパンの量が多くて、最初はスピードについていけませんでした。でもだんだんやっているうちに追いついてきて。いまは仕込みをやってるんですけど、気温とか湿度によって、毎日変わってくる。自分で調節して、いい生地ができたりすると、とても楽しい。特に気候の変わり目が、いちばんむずかしいですね。
上司とのコミュニケーションの中に気づきがある
金田店長とかにいろいろ話をしてもらいます。お店のあり方とか、接客のこととか聞けて、よかったと思いました。たとえば掃除でも、決められたことをやるのではなく、汚れていることに気づいたらすぐそこを掃除するようにと。いわれてやるのではなく、自分で判断して動ける職人になりたいと思います。

「お客さんに愛されるパン屋さん。働いている人もみんなやさしい」
沼口麻美(21) エピソード カフェ勤務 1年目
写真:沼口麻美

お客さんをとても大事にする会社
学校の校外研修でたまたまきたのがエピソードでした。常連さんも多くて、愛されるパン屋さんだと思いました。お客さんのことをすごく思ってるパン屋さん、すごくいいなーと思いました。イートインのお客さんに、パンを渡しにいったら「ありがとう」といわれたり。常連さんのことをよく知っている店員がレジで担当になったら、お客さんがなにもいわなくても、パンを半分にしたり、スライスしたり。あれだけいっぱいお客さんがきてるのに、それができる。働いている人たちもみんなやさしくて、なにもわからなかった私に気を使ってくれて、それで入社しようと思いました。
イタリアンの調理、接客…いろんな経験ができる
パン屋さんになろうと思っていたんですが、もともとはパスタやピザ、カフェやコーヒーのことも興味があったので、いまの仕事は気に入っています。
こういうおしゃれなお店は、この辺にあまりなかったし…。ピザを焼くことだけでなく、接客したりとか、いろんなことが経験できる。特に、お客さんにピザをだした瞬間に「大きい!」というリアクションが返ってきたときはとても楽しいです。

写真:今井加奈子
「パン、イタリアン、接客…学んだ事はいっぱいあります」
今井加奈子(26) エピソード カフェ勤務 7年目

プロローグはお店のオーラがすごい
就職する前は、いろんなパン屋さんを見て歩いたのですが、プロローグに入った瞬間「ここだ!」と直感で思いました(笑)。お店のオーラがすごかった。仕事は、専門学校をでたばかりだった私にはきつかったですね。毎日、枕を濡らしていました(笑)。不器用で仕事が遅かったので。でも、まわりの人があたたかくて、やさしくしてもらいながら、いままでやってこられました。
3つの店をまわって、たくさんのことを経験
パンステージ プロローグ、パンステージ エピソードを3年ずつ、エピソード カフェを1年。それぞれちがうんで、学んだことはいっぱいあります。パンと料理はぜんぜんちがいますし。特にカフェは、どうやってみんなで店をまわしていくか、そういうのも勉強できます。

「新しいことにチャレンジできるし、できることがだんだん多くなる。入ってよかったです」
山下康太郎(21) パンステージ エピソード勤務 1年目
写真:山下康太郎

花がいっぱいの理想のパン屋
パンが好きで、自分もパンを作ってお客さんに笑顔で帰ってもらえるようなパン職人になりたいと考えたのが、入社のきっかけです。エピソードは実家のすぐ近くにあって、お客さんとしてよくきていました。お店がきれいですし、花がいっぱいあって、見ていて落ち着くというか。こういうところで働けたらいいな、理想のパン屋だな、と思っていました。
どんどんスキルアップしていくのが職人のよろこび
いろいろな仕事ができるのも、このお店の魅力ですね。店長に「これやってみな」といわれたことをやるんですが、最初はラスク、それからカスタード…と、自分が早く終われば新しい仕事をもらえる。新しい仕事ができるようになるたびに、モチベーションがアップします。チャレンジできるし、自分のできることがだんだん多くなっていく。入ってよかったと思います。

写真:寺田菜々子
「社長がひとりひとりを見て、夢を話してくれるのがいいところです」
寺田菜々子(21) パンステージ エピソード勤務 2年目

社員ひとりひとりを見てくれる、夢を語ってくれる
専門学校に講師としてきていた社長と話して、直感でこのお店に決めました。大手ではないぶん、社長がひとりひとりを見てくれて、話してくれるので、そこがいいところです。「これからこういうことを目標にしていきたいんだ」とか、「次はパンも洋菓子もレストランもぜんぶある店をだすんだ」とか。夢があります。上の人が目標を持っているのがいいと思います。
目の前の仕事を早く覚えて、ゆくゆくは洋菓子も
1年目はカフェで勤め、2年目はパンをやらせてもらうようになりました。最初はサンドイッチからはじめました。洋菓子も作ってみたいと思っているんですが、新店プロローグ プレジールでぜひやってみたいです。パンの工程にもいろんなポジションがあって、それをやるたびに幅が広がっていきます。いまは目の前の仕事をこなすのでまだまだ精一杯です。デニッシュの折り込みをしているんですが、冷えていないと生地がだらけちゃうので、温度管理をきちんとしないといけないのが、むずかしいですね。時間通りうまくいかなくて。だからこそ、できるようになりたいっていうモチベーションになりますね。

「ニコニコマークを描いたパンをお店にだすと、ちっちゃい子がよろこんでくれました」
田澤佳苗(19) パンステージ プロローグ勤務 1年目
写真:田沢佳苗

人見知りの私でも仲良くなれた
専門学校生だったとき、プロローグに研修にきたんですが、働いているみんなにやさしくしてもらって、アットホームな感じがよくて、みんなと働きたいなと思いました。パートさんとかも和気あいあいとして、フレンドリーな雰囲気。私は人見知りをするので、自分からは話せなかったんですけど、気を使ってみんな話しかけてくれるので、仲良くなれました。
プロローグでパン作りが好きになった
もともと希望していた洋菓子を、今度オープンするプロローグ プレジールで、やらせてもらえることになりました。社長には「パン屋がやる洋菓子だけどいいの?」って訊かれました。たしかに本格的な洋菓子屋さんにもいきたかったんですけど、パンを作るのも楽しいし、プロローグに入って視野が広がりましたね。それまではパンを作ったことがなくて、お菓子を作って友だちにあげるとよろこんでくれるので、それでお菓子が好きになっていました。研修でプロローグにきたとき、私がニコニコマークを描いたパンをお店にだすと、ちっちゃい子によろこんでもらえて、うれしかった。それでパンのことも好きになりました。お客さんが見えるところで、仕事をやらせてもらったのも、楽しかったです。

「お客さんの好きなものを覚えて、『あの人がきたからださなきゃ』って。よろこんでもらうためにやってるみたいなところがあります」
丹麻奈美(22) パンステージ プロローグ勤務 2年目
写真:丹麻奈美

緑が多くてふるさとを思いだす
私は山形出身で、東京のほうのパン屋さんのことぜんぜん知らなかったんですが、知り合いに「いってみな」といわれて、はじめてきたパン屋がプロローグでした。まわりに緑が多いじゃないですか。まるで自分ちに帰ってきたみたいで(笑)。店の雰囲気もよくて、ひと目惚れでした。他のパン屋さんも見学にいきましたが、プロローグの雰囲気がいちばん好きです。
サービスすればするほどよろこんでもらえる
自分の作ったのをお客さんが買ってくれて、「これ、おいしいのよね」っていわれたら、うれしくて。よろこんでもらうためにやってるみたいなところがあります。お客さんの好きなのも覚えられるようになって、「あの人がきたからださなきゃ」って思うこともあります。「いま、でましたよ」「いま焼きたてなんですよ」と声をかけたり、「いまお作りしますよ」って作って差しあげたり。常連さんを大事にしてるお店だと思います。売り切れちゃったときや、作りはじめてなかったものなどは、5分ぐらい待ってもらって、作れるものは作る。作れないものもありますが、作れるかどうか厨房に絶対訊きにいきますね。作って差しあげると、お客さんと会話も広がるので、またきてくれるって感じになります。それがすごくうれしいです。
種類が多いので食材や調理法を勉強できる
とりあえずいまはサンドイッチという仕事を与えられています。田舎育ちだからフランスパンとか食べたことなくて、わからないことはいっぱいあるので、材料のこととか学んで、どうやったらおいしく作れるのか、学んでいこうと思います。プロローグのサンドイッチは種類が多くて、本当においしいので、「あ、これってこういう味するんだ」とか「こういう味つけをするんだ」とか、いろいろ勉強になりました。

「人間関係がよくて、売り上げものびて、やりがいもあって。すべてがいい方向にいっています」
浅野景圭(31) パンステージ プロローグ勤務 5年目
写真:浅野景圭

本格的なパン作りを勉強できる店
プロローグに入るまでは、施設にいた人たちにパン作りを指導していました。やっているうちにもっと本格的にパンを作ってみたくなりました。一生懸命やっていたんですけど、プロのパン職人じゃないし、いいものを作る技術が限られるから、1度施設を離れて勉強してみたいと。そんなとき、障害者のパンコンテストの実行委員長だった山本社長に出会いました。活気のあるお店で楽しいなと思っていたプロローグに、無理をいって入れてもらいました。みんないい人たちで、出会いに恵まれたなと思います。
人間関係のよさがおいしさにつながる
ずっとサンドイッチを担当しています。一から材料を仕込んでサンドイッチを作ります。どれぐらいの量を作るかとか、仕事をまかせてもらっているので、売れたらすごくうれしい。3、4人のチームワークで作ります。サンドイッチの厨房は別になっているので、ここはここでひとつのお店のような。もちろん、パンの厨房に協力してもらってですが、人間関係がいいので、すべてがうまくいっています。
売り上げの伸びがやりがいに
お客さんによろこんでもらったときがいちばんうれしい。それをスタッフみんながよろこんでいる姿を見るのが楽しくて。目標の売り上げを達成したときもそうですし、サンドイッチが上手に作れたときとかもうれしいですね。パンの調子もあるし、野菜の調子、作る人のコンディション、ひとつでも欠けると、いいサンドイッチができません。チームワークがやっぱり大きいし、自分の組んだオーダーも左右しますね。「今日は1個も残らなかった!」とか、クレームがきたら落ちこんだり。だけど、みんなが同じ方向を向いてやってるので、それが楽しいです。サンドイッチって普通のパン屋さんではいちばん隅っこに置かれているけど、プロローグでは冷蔵ケースを2台置いて、入口すぐのいちばん目立つところにも置かせてもらってるので、やりがいがあります。もともとはこんなに作ってなかったんですけど、お客さんが求めているのか、売り上げがどんどん上がっています。仕事が楽しくて仕方がありません(笑)。

写真:向山園恵
「みんなから『がんばればなんとかなる』『気持ちさえあれば』といわれましたが、その通りでした」
向山園恵(22) パンステージ プロローグ勤務 2年目

不安だったが、まわりが助けてくれた
専門学校の講師だった、山本シェフに誘われて、入りました。私の専門学校からプロローグにいった人はいっぱいいて、できる子ばっかりだったので、私が声をかけられるとは思いませんでした。私なんかできるのかなって不安で。みなさん早く、きれいにできてますが、私は仕上げもままならない。それでも、なんとか助けてもらいながら時間内にできています。人間関係もとてもよく、楽しくやらせてもらっています。デニッシュの盛りつけなどの仕上げや、品出しも手伝わせてもらっています。自分の作ったものをだしてるとき、お客さんに「これなんですか?」って声かけられて、うれしそうに買ってもらえると、あーやってよかったと思いますね。早くきれいに作れると、先輩からもほめてもらえる。お客さんも、きれいなのを買うと思いますし、やりがいがあります。
初心を忘れずに努力すれば、できるようになる
この世界に入りたいと思ったのは、好きだから。好きな気持ちを忘れないで努力していけば、少しでも学べるし、がんばっていけばできる。パン屋は肉体労働なので、小麦粉の袋を持ったり、女性はたいへんですが、慣れると大丈夫になってきました。みんなから「がんばればなんとかなる」「気持ちさえあれば」といわれますが、その通りだと思います。気持ちしかないんで。新しいお店ができて、異動もあると思いますが、新しいポジションもらえるようにがんばるしかないです。

「ちゃんと人の仕事も見てあげられたり、心づかいができたり、職場を盛り上げたり。いっしょに働く仲間を大切にできる人になりたい」
杉山美紀子(28) パンステージ プロローグ勤務 10年目
写真:杉山美紀子

地域のために、日常のパン、楽しいパンを作る
おいしいパンを作れるようになりたくて、働く先を探してまして、本を見てプロローグのことを知り、惹かれて入りました。高級な素材にあまりこだわりすぎないで、パン生地のおいしさにこだわって、地域の人のためにパンを作る。そういうシェフのお考えがいいと思いました。ドイツパンだけ、フランスパンだけ、と偏ることもなく、ここにきたらなんでもある。それがプロローグのいいところだと思います。専門学校にいってなくて、パンの作り方がぜんぜんわからなかったので、なんでも種類があるパン屋さんは私にとってとてもよかったです。
時間勝負、体力勝負、チームワークでやる仕事
パン屋さんの理想と現実ってあると思うんです。入る前はほんわかした感じかなって思っていたんですが、実際に働いてみると、時間勝負、体力勝負。これから入ってくる人は、そのギャップに驚かず、「こういう人になりたい」とか目標をしっかりもって、つらいことを越えていってほしい。そういうところが、私が先輩に見習いたいと思っている部分です。ちゃんと人の仕事も見てあげられたり、心づかいができたり、職場を盛りあげたりできるんです。就職する前は、職人って、もくもくとする仕事だと思ってましたが、ひとりでできる仕事ではない。みんながいてこそ、成り立ってる部分があるので、いっしょに働いてる人を大事にできたらと思います。

写真:小林祐
お客さんが身の前で買ってくれるのっていいですね。そのモチベーションは大きいと思いました」
小林祐(29) パンステージ プロローグ勤務 9年目

これだけ活気のある店はなかなかない
専門学校の研修先がプロローグでした。それまでは知らない店だったんですが、当時から活気がよかったです。テレビにでたあとみたいで、お客さんが増えて、どたばたしてました(笑)。これだけ活気のあるお店ってなかなかないと思います。お客さんが目の前で買ってくれるのっていいですね。そのモチベーションは大きいと思いましたね。どういう状態で売れるか、どこに買われていくかわからないのは、変な感じでしたね。
社長の前向きな気持ちがスタッフに乗り移る
いちばん楽しいのは、やっぱり繁盛しているときじゃないですか。お客さんがたくさん買ってくれてるのが、ここから見えますから。スタッフみんなが売り上げを気にして、前向きに盛り上げようとしている。やっぱり社長がそういう人だから、気持ちがみんなに自然とうつるんだと思います。

「パンに囲まれて仕事ができて、おいしいパンがいつでも食べられる。わくわくする感じです」
大野弥生(22) パンステージ プロローグ勤務 4年目
写真:大野弥生

雰囲気がいい店は仕事も楽しい
お店にはじめてきて、雰囲気にひと目惚れしました。パンに囲まれて仕事ができて、おいしいパンがいつも食べられる。お店が明るいし、品物がいっぱいあるので、わくわくする感じです。いまやっている仕事は、成形と、窯と、お休みの日は売り場もやりますし、伝票整理も。パンを作ることが楽しいし、お客さんと接するのも楽しい。ぜんぶが楽しい(笑)。
できなかったことができるようになる楽しさ
特に上手に早くパンができたときはうれしいですね。昨日より、早く、時間内に多くのことができたり。新しい仕事をやるときは、最初はできる先輩にいっしょにやってもらって、できるようになったら独り立ちします。新しい仕事はわくわくどきどきしますし、不安にもなります。最初は遅れちゃうし、失敗もするから不安になりますが、それを乗り越えてでえきるようになると、すごくうれしいですね。

写真:山本昌弘
「店の雰囲気がすごく好きだったから、なんとか仕事についていこうと思いました」
山本昌弘(26) パンステージ プロローグ勤務 5年目

プロローグにきて圧倒された
惹かれた理由は、店の雰囲気と、クロワッサンですね(笑)。専門学校にいってたとき、友だちに「こんな店があるよ」と紹介された。きてみて圧倒されました。あまりの種類の多さと、人の活気に。この店の雰囲気がすごく好きだったから、仕事ができなくても、なんとかついていこうと思いました。
仕事は真剣にやればやるほど楽しい
お客さんのよろこぶ顔が見れるのがうれしいですね。なにげない「ありがとう」という言葉とか、「わー、おいしそう!」とかいわれるの、すごくうれしい。子供たちも楽しそうに選んでるじゃないですか。そういうの見てるとうれしい。この仕事は、真剣にやるとおもしろい。量が多いから本気でやらざるをえないし。いまの時期は生地がすぐだれちゃうんで、急いでやらないといけない。その分、一生懸命やった充実感は大きいですね。

「プレッシャーはあるけど、やらなきゃいけないし、やってやろうという気持ちです」
斉藤亮(21) パンステージ プロローグ勤務 2年目
写真:斉藤亮

社長のインパクトで入社を決めた
専門学校に山本社長が講師にきたとき、すごいインパクトがあって、「この人の下で働きたい」と思いました。おとなしいイメージじゃなくて、引っ張っていってくれるような人。実際に話してもおもしろい人でした。
むずかしい生地の仕込みはやりがいのある仕事
いまは仕込みの仕事をはじめたところです。食パン、パンドミ、イギリス…10種類を作ります。暑いので氷の量とか気をつけてます。状態は、今日でも明日でも変わってくるし、気を使いますね。いい生地を作らないといけないというプレッシャーはあるけど、やらなきゃいけないし、やってやろうという気持ちです。
いろんな経験ができるプロローグは視野を広げられる
実家はパン屋なので、ゆくゆくは継ぐことを考えています。家だけで修行すると、そこしか見えなくて、視野が狭くなるので、いろいろ経験したいと思って入りました。プロローグはパンの種類も多いし、イタリアンや洋菓子などいろんな仕事ができる。次はカフェにいけたらいいなと思っています。いろいろ経験が積めるのは、プロローグのいいところですね。

写真:小坂浅実
「私には腰が悪いというハンデがありました。社長は話を聞いてくれて、『しょうがない。できることをやろう』といってくれました」
小坂浅実(21) パンステージ プロローグ勤務 3年目

ハンデを認めてくれた
プロローグには入社する以前から何回かきていて、雰囲気が好きでした。私には腰が悪いというハンデがありました。就職活動のときは、面接で「腰が悪くて」というと、どこでも嫌な顔をされていました。山本社長は話を聞いてくれて、私のことをちゃんと認めてくれた。「しょうがない。できることをやろう」といってくれて。仕事をやってるうちに筋肉がついたみたいで、以前のように痛くて動けなくなるとかはなくなりました。
幸せなのはきれいにパンが焼けたとき
仕事は、主に窯をやっています。きれいに焼きあがったりすると、うれしいです。生地が発酵しすぎちゃったりしてると、あまりきれいに焼けないときもあります。パンドミの山が6つ均一にできると「やったー」って思いますね。
売り場がいい雰囲気の店は職場も楽しい
社長にはいつも遊ばれてます(笑)。お父さんのような存在ですね。最近は同年代のスタッフが増えてきて、ますます楽しくなってきました。プロローグは入社する前からいい雰囲気のお店だと思っていましたが、入ってみたら働いている人たちも楽しかった。売り場の雰囲気がいいお店は、厨房も楽しいのかもしれません。スタッフが楽しいと、お店も楽しくなるから、仕事も楽しくなるかな。

「ここで学んだ技術を活かし、世界に羽ばたいていきたい。アジアでパン屋さんをやりたいと思っています」
栗原和男(30) パンステージ プロローグ勤務 5年目
写真:栗原和男

雰囲気がよかったので入社
都内のパン屋さんで3年間務めていましたが、辞めて、アジアを放浪していました。なんか他の仕事をやろうとか、世界を見てみたいという思いがあったからです。帰ってきて、またパン屋をやろうと思っていたとき、店舗に貼ってあった募集の貼り紙を見て応募しました。地元だったので、客としてプロローグには何度もきていましたので。しばらく働かせてもらい、雰囲気がとてもよかったので、入社を決めました。
アジアの人に自分のパンを食べてもらいたい
特定非営利活動法人 NGBCが応援しているカンボジアのパン屋さんに、パンを教えるため、派遣させてもらいました。現地は景気がよく、とても勢いがありました。実際に、自分の目で見たこともあって、世界に羽ばたいていきたい、アジアでパン屋さんをやりたいと思うようになりました。日本は成熟してしまって、これからの伸びを期待できないし、どこのパン屋さんもおいしくて、飽和状態にあるんじゃないかと感じています。そう考えると、アジアのほうが可能性があるのではないかと。ここで作っているパンをアジアの人に食べてもらいたいと、思っています。(「和男なら、できるよ」と山本社長もうなずく)

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